在留資格入管取次行政書士奮闘記(事例紹介)


 

在留資格「技能」

外国料理コックの在留期間更新(転職事案)
同業者の紹介で、F国籍のTさん来所。Tさんは、F国料理のコックとして「技能」の資格で在留していた。ところが、働いていたA店を理由もわからず解雇され、現在は無職であるとのこと。
 TさんはF国料理店の経営者になる夢を持っていた。その場合在留資格を「投資・経営」に変更する必要がある。この「投資・経営」の在留資格は、入管のガイドラインとして、いわゆる500万円ルールというものが存在し、500万円以上の自己資金が必要となる。その他細かい条件があり、一朝一夕にはいかないと説明。Tさんも納得した。
 Tさんの心配は、A店を解雇されたので「技能」の在留資格を失い、不法残留になってしまうのではないかということであった。
 たしかに、形式的に考えれば不法残留ということになる。しかし、勤めていた会社が倒産したり、解雇されたり、転職のため退社することはままあり、これらの場合、とりあえず現在の在留資格の在留期限までは合法な残留という取扱いがなされている。
 その後、Tさんは自力でF国料理のB店を見つけ、コック(調理士)として就職した。そこで、在留手続きはどうしたらよいか?と再び来所。
 就職先が変わった場合、時間的な余裕があれば「就労資格証明」を入管から取得しておいたほうがいい。入管は新しい就職先については、なんの審査もしていないわけで、更新時に、いきなり就職先が変わったと言って申請しても、入管側は慎重審査をすることになり、手間も時間もかかる。「就労資格証明」を取得しておけば、更新時にこの「就労資格証明書」と在職証明など、少しの資料の提出で済むし、許可まで時間がかからない。
 Tさんの場合は、在留期限が迫っていたので、そのまま在留期間更新許可申請をした。このような転職事案の場合、資格変更に準じた資料提出を入管から求められる。
 ここで問題が生じた。転職事案の更新申請の場合、前会社(A店)の発行する、退職証明と源泉徴収票の添付が必要となる。ところが、A店はそれらを出してくれないばかりか、Tさんに国へ帰れと言うのである。雇用主はTさんに会ってもくれない状況であった。そこで私がA店幹部と接触し、2点の発行をお願いしたが、Tさんの在留に協力できないと、どうしても要請に応じてもらえなかった。
 私はしかたなく東京入管の就労審査相談窓口(Sルーム)におもむき、交渉した結果、2点を提出できない理由を書いた申述書を提出することで了解を得た。
 他の必要書類を収集し、私が作成した「申述書」を添付して、在留期間更新許可申請を東京入管になした。
 申請から4日で在留期間更新許可(1年)を得た。入管がA店に照会したら手間取るなと思っていたが、杞憂に終わった。
 Tさんには、大変喜んでもらった事案であった。