在留資格入管取次行政書士奮闘記(事例紹介)


 

家族滞在

「人文知識・国際業務」の女性が夫を呼び寄せた事例
F就学(日本語学校)→留学(大学)→人文知識・国際業務という在留資格変更をしてきた、C国女性Aさん(在留5年)が来所。相談内容は、本国で結婚した夫Bさんを日本に呼びたいが、どうすればいいのか?というものであった。
 この場合、在留資格は「家族滞在」に該当すると説明。受諾して在留資格認定証明書交付申請を行った。
 この件は、婚姻期間が短い点と、Aさんが就職して間が無く、添付すべき住民税の納税証明書が用意できない点が少しひっかかった。
 ただAさん、Bさんは高校時代から双方の両親公認のお付き合いをしており、「理由書」にその旨を詳しく記載した。またAさんの扶養能力を証するものとして、Aさんが勤務する会社から、給与明細、在職証明書を取得し、労働契約書の写しも添付して申請した。
 申請後、約3週間で在留資格認定証明書が送付されてきた。現在Bさんは、日本に入国して日本語学校に通い、2人で幸せに暮らしている。
 この「家族滞在」の在留資格で注意しなければならないのは、入国希望者が日本在留者の扶養を受ける者でなければならず、原則として就労は認められない。生計を助けるためにアルバイトをしたいときには入管から資格外活動許可をもらわなければならない点である。
 また身分系の資格と思われがちだが、日本の在留者が就労資格の場合は就労審査部門、留学生の場合は留学・就学審査部門で審査されることを注意されたい。
「人文知識・国際業務」の男性が妻を呼び寄せた事例
ケース11の事例に近い案件であったが、違う点は本国で見合いし、すぐ結婚しているので、付き合いの時間が短いことであった。
 ただ、「人文知識・国際業務」の在留資格3年を得ており、就労期間が長いので、扶養能力を示すための経済力を証明する資料を十分に添付できることがプラス材料だった。
 在留資格認定証明書交付申請(呼び寄せ)の場合、申請人を入国管理局に呼んで調べることはできず、書面上の審査だけで許可、不許可の判断が下されるので、いかに説得的な書類を提出できるかがポイントとなる。その中でも「理由書」が大きな役割を果たすことが、経験上認められる。
 本件でも、呼び寄せ人(夫)から事情を聴取し、見合いから結婚に至るまでを丁寧に記述した「理由書」を作成添付した。「家族滞在」の場合、特に「理由書」の提出は求められていないが、結婚案件の場合は、真実の結婚であることの証明が必要となるので、説得的な「理由書」を添付することにしている。
 本件は、申請後4週間弱で認定証明書が交付され、「家族滞在3年」の在留資格を得ることができた。
家族滞在(中国人妻の呼び寄せ)
「人文知識・国際業務」の在留資格を持つ中国人男性Aさんが来所。
中国人女性Bさんと結婚したので呼び寄せたいとのこと。
「家族滞在」の在留資格認定証明書交付申請ができるケースだったので受諾。
ただ、2つ気にかかることがあった。
一つはAさんが過去に在留期限内に日本に再入国できず、Aさんの会社が呼び寄せを行いAさんが新規入国となったため、本来3年の在留資格をもらえていたはずが、1年となっていること。
もう一つはAさん、Bさんの出身地が中国の福建省であったこと。というのも福建省から日本に来るための結婚事案で偽装結婚が非常に多いこと。そのため入管の審査が厳格であることであった。
ただ偽装結婚は主に「日本人の配偶者等」でなされる。「日本人の配偶者等」の在留資格は活動に制限がないので、どんな仕事にもつける。「家族滞在」の場合は原則収入を得る活動はできない(資格外活動許可を得れば、簡単なアルバイトはできるが)。したがって、偽装結婚をして日本で働こうと思う人は「日本人の配偶者等」の資格を望み、「家族滞在」ではメリットがないのである。
申請にあたって、真実の結婚であることを証明するため、「理由書」を厚く書き、スナップ写真も多めに添付した。
申請から1ヶ月、Bさんの在留資格認定証明書が交付された。在留期間はAさんに合わせ1年であった。
中国人女性と在日中国人男性との結婚(手間取った案件)
‘09.1月末に中国人男性Aさん来所。Aさんは「人文知識・国際業務」の資格(3年)で在留中であり、中国人女性Bさんと結婚したので、呼び寄せの手続きを依頼したいとのこと。この場合、「家族滞在」の資格で在留資格認定証明書交付申請を行うことになる。
「家族滞在(呼び寄せ人が就労資格)」の場合、審査のポイントは、真実の結婚か?呼び寄せ人に扶養意志、扶養能力があるか?に尽きる。
Aさんの場合、全く問題がなかったので、Aさんに1ヶ月前後で許可が下りると説明、2月初めに東京入管に申請した。
「家族滞在」を当職が扱った案件では、だいたい申請後1ヶ月前後で認定証明書が交付されてきた。ところが3月半ばになっても入管から何も連絡がない。おかしいな?と思って入管の就労窓口に行って質問した。すると入管はAさん宛てに、「追加資料提出通知書」を送ったが返信がないという。そこでAさんに問い合わせると、そんな通知は来ていないとのこと(郵便事故か?)。もう一度入管の就労窓口(Sルーム)に行って説明し、私が取次をしているのだから、確実に受け取れる私の事務所宛てに送って欲しいと交渉し、了解を得た。
数日後、入管より私宛に「通知書」が来た。追加書類として①戸口簿の写し、②Bさんの旅券の中身の写しの2点を追完せよとの指示であった。①は中国からの取り寄せとなり、②はそもそもBさんは中国から出たことがないので中身は記載されていない。身分事項のページ(写真があるページ)の写しはすでに提出済みだったので、その旨の説明をした文書を提出した(3月31日)。そもそも申請人(外国で居住)のパスポートの写しは入管で配布されている必要書類一覧には記載されておらず、私の判断で提出することにしている。
追加書類が出されていない期間があったので、追完後1ヶ月くらいかかるかなあと思っていたら、4月末になって、2度目の追加書類提出通知が来た。提出した「戸口簿」は結婚前のものであったので、結婚後のものを出せと。さらに、Aさんの給与明細(1~4月)の提出指示があった。
前者については、既に提出したものが結婚後のものであり(「既婚」の印が押されている)、後者についても1月分は提出済みであった。その旨を入管窓口で説明し、Aさんの申述書を提出した(5月7日)。その後3週間経って、ようやく在留資格認定証明書が交付された。
まあ、不交付にならなくて良かったとは言えるが、結局申請から4ヶ月弱かかったことになる。一説には4月は入管係官の人事異動があり、引き継ぎがスムーズになされなかった場合に手間取ることがあると。2度手間、3度手間は勘弁して欲しいものである。
在日中国人女性と在日中国人男性との結婚(「留学」案件)
‘09.3月に在日中国人男性Aさんと、在日中国人女性で新婚の奥さまBさん来所。Aさんは「留学」の資格(2年)で在留中であり、結婚した中国人女性Bさんは、やはり「留学」の資格で卒業直前との話。ただ、Aさんは在留期限まで2年あるのに対し、Bさんの在留期限は本年4月半ばになるので、手続きを急いで欲しいとの依頼だった。
 この場合、在留資格「留学」の方を扶養者とする「家族滞在」に該当する。ただし、就労資格を持っている方が扶養者となる「家族滞在」の場合、就労審査部門で審査されるのに対し、「留学」の資格で在留する方が扶養者となる「家族滞在」は留学・就学審査部門で審査されることになる。
「家族滞在(扶養者が留学資格)」は「家族滞在(扶養者が就労資格)」の場合と同じく、審査のポイントは、真実の結婚か?留学生に扶養意志、扶養能力があるか?に尽きる。
ここで問題となるのは『扶養能力』である。扶養者が就労資格の場合は、各種税証明、源泉徴収票、給与明細等で『扶養能力』を証明できるのに対し、留学生の場合はむずかしい。十分な預貯金があるとか、定期的に仕送りを受けているとか、身元保証人に財力があるなどを証明の材料にすることになる。
気をつけなければならないのは、留学生が資格外活動許可を得てアルバイトをしている場合でも、その収入を『扶養能力』の証明材料にはできないことである。資格外活動許可の趣旨は、学費にあてるなど、留学生の学業を補助することにある。生活費を補てんすることは想定されていないのである。
Aさんの場合、預金残高証明書、身元保証書を添付し、身元保証人に財力がある旨の理由書をつけた。
3月末に在留資格変更許可申請(留学→家族滞在)をしたが、なかなか許可が下りないので、5月の連休後に東京入管留学・就学審査部門に行き審査の進捗状況を問いただしたところ、「慎重審査案件となっており、まだ結論が出ていない」との回答。正直不許可もあるか?と不安になった。
結果、6月初旬に許可(2年)が下りた。申請後2か月ちょっとかかったことになる。
以前、同業のベテラン取次行政書士から聞いた話では、留学生が扶養者となる「家族滞在」は、なかなかむずかしいとのことだったので、許可が下りて安堵した案件でした。
なお、Bさんの場合、審査中に従来の在留期限を過ぎてしまい、形式的にはオーバーステイとなったわけだが、変更許可されると許可の効力が遡って発生し、合法的に在留していた扱いにしてくれるので、心配は必要ない。
中国在住の中国人女性と在日中国人男性との結婚(許可まで時間がかかった案件)
‘09.1月中旬、以前の依頼人さんの紹介で、中国人男性(在留資格「人文知識・国際業務」3年)、Jさん来所。結婚したばかりの奥さまSさんを日本に呼び寄せたいとのこと。
 事情をお聞きして、問題のない案件であったので、受諾。
 Jさんは神奈川県在住であったので、東京入管横浜支局に2月2日申請。
 これまで受託した同様のケース(就労資格の「家族滞在」)では、だいたい1ヶ月前後で許可されてきたので、今回も3月半ばには許可が下りるものと思っていた。
 ところが、3月になって、横浜支局から追加書類要求の通知が来た。その中身は、Sさんの履歴書及びSさんの父親の履歴書を提出せよ、というものであった。
 はあ?そんな物の提出を求められた経験はなかった。百歩譲ってSさんの履歴書は必要としても(不要と思うが)、なぜSさんの父親の履歴書が必要なのか、さっぱりわからなかった。ただ私のスタンスは、ご無理ごもっとも(入管とケンカしても益なし)なので、おとなしく追完することにし、Jさんに取得をお願いして、追完した。
 4月になり、5月になっても結果通知が来ないので、横浜支局に進捗状況を問い合わせても、審査中であるとの返事が返ってくるだけ。だんだんJさんも果たして許可されるのか、不安になってきたとのこと。私が審査するわけではないので、いかんともしがたい状況が続いた。
 申請から4ヶ月を経過した6月初旬に横浜支局に3度目の問い合わせをした。すると、しばらく時間をおいて、対応する係官が変り、「近々審査結果が出る」との回答。「近々」というのは1週間なのか、2週間なのか問いただしたところ「近々としか言えない」と言う。若干の期待と不安。
 そして、6月11日、ようやく在留資格認定証明書が交付された。長く待たされたがいい結果が出て、安堵した。さっそくJさんに連絡したところ、心の底から良かったとの感想。この仕事をやっていて、一番うれしい瞬間である。
特定活動」から「家族滞在」への変更が許可された案件
中国人男性Aさんから在留資格変更許可申請をお願いしたいと来所。Aさんは、日本の大学を卒業して就職活動をしていたが、「留学」の在留期限が来たので、継続就職活動としての「特定活動」に変更したとのこと。
奥様Bさんが大学在学中で「留学」の資格で在留しているので、その被扶養者として「家族滞在」への在留資格変更が可能かという相談だった。
「留学」の在留期限後も就職活動を継続したい場合、「特定活動」への在留資格変更が認められ、6月間在留できる。6月間経ってなお就職先が見つからない場合、さらに6月間の在留期間更新許可され、都合1年間、継続就職活動としての「特定活動」を得られる。
Aさんは就職活動をあきらめ、Bさんの学業のサポートに回りたいとのことであった。
「家族滞在」は扶養者が就労資格で在留している場合と「留学」資格で在留している場合がある。共に、結婚が真正のものであり、扶養者の扶養意思と扶養能力があることが必要とされる。扶養者が「留学」資格の場合、問題となるのは扶養能力の立証である。扶養者が就労資格である場合、立証は比較的容易であるのに対し、扶養者が「留学」である場合経済的に大丈夫なの?という疑問を持たれるからである。
本件の場合、Bさんに貯蓄があり、仕送りもしてもらっていて、さらにBさんの身元保証人が経済的援助をしてくれるとのことであった。必要書類として、Bさんの残高証明、送金記録、身元保証人の在職、給与証明を添付し、経済的に問題ない旨を理由書で厚く書いた。
申請から10日で許可が下りた。案外早かったという印象である。
なお、「家族滞在」の場合、資格外活動許可申請をして1週28時間以内のアルバイトができる。



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