在留資格入管取次行政書士奮闘記(事例紹介)


 

過去退去強制

M国の女性(退去強制歴あり)と結婚したAさんの場合
FM国の女性と結婚したAさん。その女性は過去に退去強制歴があり、退去から2年経っていなかった。他の事務所に相談したら、「退去強制から5年経っていないので、在留資格認定証明書交付申請をしても受理されないか、受理されても不交付になる」とけんもほろろに断られて当事務所に来ました。
事情を聞くと、M国女性は日本にいるときAさんと同居し、事実上の結婚生活を送っていたこと。オーバーステイを知ったAさんは女性を伴って東京入管に自ら出頭し、退去強制手続を受けたこと。前夫との間に生まれた子供とAさんは養子縁組をしたことなどがわかりました。たしかに、入管法上は退去強制を受けた人は5年間日本に入国できないことになっています。ただ以前は、上陸拒否期間は1年であり、法改正にあたって諸事情を考慮し、人道的な配慮をなす旨の国会答弁がありました。
私は、このケースで申請してみる価値はあると判断しました。そこで私は、M国女性からの手紙、国際通話記録、AさんのM国訪問を証するパスポート写し、養子縁組証明等を必要書類に加えて添付し、またAさんからの聞き取りをもとに、説得的な「理由書」を作成して在留資格認定証明書交付申請を東京入管になしました。
申請してから約半年、M国女性は「日本人の配偶者等」、子供は「定住者」の在留資格を取得でき、先般無事日本に入国できました。Aさんには大変感謝され、私も我がことのようにうれしかったです。
退去強制を受けた米国人男性が入国許可となった事例
2006年11月に、アメリカ人男性Tさんと結婚した女性Iさんが、HPを見たといって来所されました。
Tさんは2004年6月に、オーバーステイとして国外退去処分を受けて離日。その後Iさんが数度訪米し、IさんとTさんは2006年8月に結婚。さらにIさんのお腹にTさんの子供を身ごもっていることが判明。出産予定が2007年4月なので、なんとかそれまでに入国できないか?との相談を受けました。
まず、退去強制処分によって出国した人は、原則として5年間は日本への入国は認められないと説明。したがって、本来Tさんが入国できるようになるのは2009年6月を待たなければならないと。
ただ、婚姻等の人道的配慮を勘案してもらえる事案であれば、例外的に入国が認められる場合もあるので在留資格認定証明書交付申請をしてみましょうということになった。
本事案では日本人女性が妊娠されていることが大きなプラスポイント。オーバーステイがマイナスポイントと判断。妊娠(出産予定)を裏付ける資料を多めに、「理由書」の中でオーバーステイを深く反省していることを強調し、あくまで入国許可をお願いしている立場であることを書いた。2006年12月末に申請。
その後、何度か「上申書」を提出したが、結局出産には間に合わず、無事出産後に出生を証明する資料も提出。
2007年7月にようやく入国許可。申請から6ケ月半かかりました。
この事案での教訓は、オーバーステイ歴がある人の場合、入管としても慎重審査を重ね、法務省にも上げるため、どうしても時間がかかるということ。たとえ人道的理由があっても、あくまで例外的な取扱であることでした。
法改正により、現在は単純なオーバーステイであれば、自ら入管に出頭し「出国命令」という処分により出国すれば、上陸拒否期間は1年。不法就労や、摘発された場合は「退去強制」となり、上陸拒否期間は5年。悪質な場合は10年となりました。
オーバーステイを簡単に考える方もいらっしゃいますが、たとえ1日でも在留期限を経過すれば不法残留となりますので、お気をつけ下さい。