在留資格入管取次行政書士奮闘記(事例紹介)


 

不許可の再申請

「永住者の配偶者等」の申請不許可後、当事務所で申請して許可
F国出身で、「永住者」の資格をもつEさん(男)から相談を受けた。Eさんは日本人女性と離婚したのちF国の幼なじみFさんと結婚。入管にFさんの在留資格認定証明書交付申請(「永住者の配偶者等」)をしたが、不交付通知が届いたとのこと。
Eさんは、不交付理由が前妻との離婚にあるのではと思い込んでいたが、入管当局に不交付理由を問い質したわけではなかった。ただ、申請に必要な婚姻経緯の「理由書」を添付していなかったことが判明した。そこで、必要書類を揃えた上、Eさんから事情を聞き作成した「理由書」を添付して在留資格認定証明書交付申請(「永住者の配偶者等」)をした。仮に再度不交付となった場合、取次をした者として当局からの不交付理由説明に同席できるので、不交付理由が明確になり、今後の対応を考えることができると思っていた。
申請から4ヶ月、在留資格認定証明書が送付されてきました。Eさんが1人で申請したときと、私の申請との相違点は「理由書」の有無のみ。入管手続の中で、「理由書」が大きな意味を持つと実感させられた案件でした。
在留資格認定証明書交付申請の場合、申請人は海外にいるため、入国管理局の担当者は直接申請人を調査することができず、提出された書面審査だけで判断するしかありません。したがって、いかに説得的な証明資料を提出できるかに許可、不許可がかかってくることになります。
在留資格変更許可申請(日本人の配偶者等)に2度不許可になった中国人が許可に!!
日本人配偶者(男)Aさん。中国人女性Bさんと結婚し(戸籍に記載、中国でも登録)、東京入管に在留資格変更許可申請(短期滞在(90日)→日本人の配偶者等)をなしたが不許可。やむなくBさんは中国に帰国し、Aさんが独力で在留資格認定証明書交付申請(呼び寄せ)をしたが、2回連続で不交付となり、知人の紹介で当事務所に来訪。
中国人女性との結婚は、7~8割が偽装と言われており、入管当局は神経を尖らせていて、結婚の真実性については、申請人がかなり説得的な文書等を提出(提示)しなければならない。
Aさんからの聞き取りでは、「理由書」がうまく書けていないことが判明。そこで、Aさんから結婚までの事情を聞き、ポイントを押さえた「理由書」を作成。さらに入国管理官にわかりやすいように事実経過を年表のように記載した書類を作成。過去の不許可、不交付の事実も申請番号とともに記載した。
その他の立証資料も添付して2006年11月13日に在留資格認定証明書交付申請(日本人の配偶者等)を東京入管になした。
最後の不交付が申請直前の2006年9月5日付けでなされており、正直、交付されるかは五分五分だなと考えていた。
ところが申請後1ヶ月、入管からAさんに、事情を聞きたいから出頭するようにと連絡が入った。こういうケースは交付の可能性が高く、真実の結婚なのだから正直に、ありのままを話せばいいとアドバイス。
入管の事情聴取から2日後に、めでたく在留資格認定証明書の交付がなされた。結局交付はすでに決まっていて、Aさんへの事情聴取は念のためだったと思われる。
このケースで学んだことは、やはり「理由書」は大事ということ。もちろん、申請人本人が書くのが基本であるのだが、説得的な文章を誰もが書けるわけではない。経験豊富な取次行政書士の存在意義を再認識した次第でした。
配偶者の呼び寄せ(「家族滞在」)不許可後、再申請で許可に
'09.6月末、以前の依頼人さんの紹介でN国のAさんよりTEL。3月末に本国に残してきた奥さまを「家族滞在」で呼ぼうと思って東京入管に在留資格認定証明書交付申請をしたが、不許可になった。再申請では確実に許可をもらいたいので専門家に頼みたいとのことだった。
とにかく、まず相談に来てもらって、事情を詳しく聞きたいと告げ、Aさんは7月中旬に当事務所を訪れた。
話を聞くと、Aさんは2005年に日本に来て日本語学校(「就学」)、専門学校(「留学」)を経て‘09.4月から現在の会社に在職している(「技術」)ということがわかった。さらに詳しく聞くと、4~6月は仮採用(研修期間)で本採用は7月からとのこと。奥様とはN国の短大で知り合い、’06.8月に結婚したとのことであった。
就労資格(この場合「技術」)で在留している人が、本国の配偶者や子供を呼び寄せる場合の在留資格は「家族滞在」ということになる。婚姻に基づく場合、ポイントは2つ。①その結婚が真実のものであること。②呼び寄せ人に扶養意思、扶養能力があることである。
Aさんの場合、結婚から3年経過しており、①はクリア。②の扶養意思も問題ない。そこで残るのは、扶養能力(経済力)となる。Aさんが入管に申請した3月末では、まだ仮採用の段階であり、添付を要求される住民税の課税、納税証明書は用意できないし、源泉徴収票も給与明細の添付も無理。これでは不許可になるのもしかたがないと説明した。
そこで、ただちに申請すると、また不許可になるおそれがあったので、8月に給与明細を取得して、7月、8月の給与明細を添付し、かつ銀行の残高証明をつけて扶養能力を証明し、申請しようと提案、了承された。
8月末に申請。その後10月になって入管から追加書類の指示があったが、日本語に翻訳するときのケアレスミスが原因とすぐわかったので、追完。結局10月30日に、在留資格認定証明書が送付されてきた。
申請から2か月ちょっとで許可。奥様ともども大喜びの案件であった。
在留資格認定証明書交付申請は1回不許可でも再申請で許可される場合も多いので、是非相談して欲しい。行政書士に頼んでもらえれば、申請書はしっかり作成するし、添付書類も過不足なく用意するので、結果的に許可を得やすいと考えている。
更新不許可後、当職に依頼され変更許可を得た案件
同業者からの紹介で中国籍女性のAさん来所。「人文知識・国際業務」の資格で在留していたが、勤めていた会社(イ)が倒産し、新しい会社(ロ)に就職して在留期間更新許可申請をしたら不許可の通知が来たのでどうしたらいいかわからないとの相談であった。
不許可通知には、その理由が抽象的にしか書かれていないので、個別具体的な不許可理由は入管の相談窓口に行って(Sルーム)聞くしかない。
入管に出頭した結果、ロ社での活動内容が、Aさんが大学で学んだこととの関連性がないとのことであった。会社が変わった場合「就労資格証明」の申請をしてほしかったとも言われた。在留期間更新許可申請で転職ケースでは、変更と同様の立証資料を要求される。あらかじめ「就労資格証明書」を取得していれば、更新は問題なく認められる。
Aさんは、さらに転職しハ社に努めており、そこでの活動内容は「人文知識・国際業務」の在留資格該当性を認められるものであった。
ただ、いったん更新不許可となった場合、従前の在留期限を過ぎていればオーバーステイとなってしまうので、それを回避するには出国準備の「特定活動」に変更してもらうしかない。Aさんもそのケースだったので、とりあえず「特定活動」(1カ月)への変更をした。
出国準備の「特定活動」から「人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請も可能であるが、入管を納得させる立証資料が必要となる。Aさんの場合、今の会社(ハ社)が協力的だったおかげで、会社に収集してもらう資料は遺漏なく揃えられた。さらに申述書を提出することにした。ハ社が現在手掛けている業務は韓国が主な取引先となっている。中国へ進出する予定はあるが、現在は韓国語の翻訳、通訳、貿易業務がAさんの主な活動内容であり、中国人であるAさんがなぜ?という入管側の疑念を払しょくするためだった。
変更申請の際、一部追加資料の指示はあったが、すぐに追完した。申請から12日で変更許可となった。Aさんは許可となるか不安な日々をおくっていたが、許可の知らせをすると、心の底から喜んでいた。
「留学」から「家族滞在」の変更申請不許可後、当職が受任して許可に
在留資格「留学」の中国籍女性Aさん。‘10.2月に「留学」→「家族滞在」の変更申請が不許可なったと当事務所に来所。
Aさんのご主人Bさんが「留学」の資格で在留しており、その被扶養者として入管に「家族滞在」への在留資格変更許可申請をしたが、不許可の通知が来て、どうしていいかわからず、友達の紹介で相談に来たとのことであった。
不許可通知書を見せてもらうと、Aさんの在留資格「留学」は、扶養者に依存することなく、独立して別個の活動に従事するものなので、変更を認める相当の理由がないと記載されていた。
「家族滞在」の在留資格は、就労資格または留学資格で在留している外国人の扶養を受け依存する関係にあることが条件となる。
Aさんが申請したときは、Aさんの「留学」の資格の在留期限まで相当の期間が残っており、その期間は当然に金銭的裏打ちがなされているのが前提なので、入管が前述の結論を導いたものと考えられた。
そこでAさんが卒業してから再申請をなすことを提案し了承してもらった。また、説得的な理由書を作成した。さらに受任後、申請前にAさんが妊娠していることが判明したので、その旨の診断書をプラスの資料として添付することにした。
3月末に再申請し、1ケ月ちょっと経った4月末に許可ハガキが送られてきた。的確な提出資料と、ポイントを押さえた理由書が許可につながったと自負している。
外国人の方が、自分で頑張って申請したが不許可になるというのはよくあるケースなので、是非相談されたい。
在留資格認定証明書不交付となった後、当職が代行して許可に
‘10年8月。日本人男性Aさんが中国人女性Bさんと結婚し、自分で在留資格認定証明書交付申請(呼び寄せ「日本人の配偶者等」)をしたが不交付になったとの相談で来所した。
Aさんが申請したときの資料のコピーを見せてもらい、入管での不交付理由説明の中身の聞き取りを行った。その結果不交付になった原因は、二人が中国国内で知り合った経緯がAさん作成の「理由書」では不十分であること、二人の交際を証する資料が不足していることであると判断できた。
そこで、まずAさんから事実経過を聞いて説得的な「理由書」を作成した。次に二人のスナップ写真を、日付、場所等を裏書し、資料とした。さらに、日常的に使っているチャット及びメールをプリントアウトしてもらい一部であるとの断り書きをして提出した。8月末に申請。
交際がある事実、安定的な結婚生活をおくる見込みであることの立証責任は申請者の側にある。入管が配布している必要書類についても、審査の過程で追加資料を要求する場合があると注意書きがされており、必要書類とされているものは最低限のものでしかない。プラスとなる資料は添付したほうがいい。
中国人女性との結婚については最近特に審査が厳しくなっており、2回、3回と不交付となる事例が散見される。また昨年までは申請から交付まで1ケ月程度であったものが、今年4月以降は3カ月ぐらいかかっている。その間申請者は不安な気持ちで待たなければならない。
今回は申請から2ヶ月半後に追加資料の要請が入管から来た。こういう場合は、まず許可となる。ただちに追完。
申請から3カ月後、ようやく認定証明書が交付された。Aさんはたいそう喜び、Bさんもホッとしているとのことであった。
「技能」の更新不許可後当職が代行して許可に
以前、在留期間更新手続(技能・転職事案)を受託したベトナム人コックAさんから連絡があった。東京入管に自分で在留期間更新の申請をしたが不許可になって困っているとのこと。とりあえず事務所に来てもらって、事情を聴いたが、どうもはっきりしない。
そこで、東京入管に同行して就労審査部門で不許可理由の聴取をした。わかったのは、提出書類に不備があったことと、給与が安すぎるのではないかということだった。
すでに在留期限をオーバーしていたので、その場で出国準備のための「特定活動(30日)」に在留資格の変更を行い、勤務先は変えずに「特定活動」→「技能」への在留資格変更許可申請をすることにした。
まず、入管から要求されていた源泉徴収簿を準備。また、Aさんの給与額に問題ないことを記した理由書を作成した。本来、基準省令で日本人と同等額以上の報酬というのが許可要件となってくるが、Aさんの職場ではベトナム人以外は調理をやっておらず、他のベトナム人コックと同等の給与をAさんは受けていた。
在留資格変更許可申請をして後、入管から給与の中身として、交通費や住宅費などが含まれるのかという問い合わせがあったので釈明書を提出した。
申請後、4週間待たされたが無事変更許可となった(技能・1年)。
在留資格変更申請や、在留期間更新申請が不許可となった場合、オーバーステイを回避するために、出国準備のための「特定活動」への変更を許可する運用がなされている。出国準備という赤いスタンプが押されるので、出国しなければならないと思われがちだが、条件を満たせば「特定活動」からの変更許可申請は可能である。ただ更新申請は簡単だとAさんのように自力でやって失敗するケースがあるので、是非事前に相談して欲しい。
「永住者の配偶者」の呼び寄せに2度失敗した後当職が代行して許可に
‘11.6月、ネパール人Aさん来所。ネパール在住の奥さんBさんと結婚して、入管に在留資格認定証明書交付申請をしたが2回不交付となったので、専門家に頼んで許可を得たいとのことであった。
事情を聴くと、Aさんは日本人Cさんと結婚し、子供も2人いた。「日本人の配偶者」から「永住者」となったが離婚したとのこと。さらに離婚後1ケ月でBさんと再婚の意思を固めたという。提出した結婚経緯説明を見せてもらうと、離婚から再婚に至る経緯の説明が不十分であることと、Bさんとは昔からの知り合いであることがうまく書けていないことがわかった。そこで当職が事情をよく聞いて理由書を作成し、添付書類も吟味して東京入管に在留資格認定証明書交付申請(「永住者の配偶者等」)を行った。
結婚事案の場合、結婚の真実性(結婚生活の安定性)と経済力が問題となるが、Aさんのケースは年齢差が22歳もあることが、結婚の真実性の点でネックになっているとことが憂慮された。
申請から4カ月かかったが、無事、在留資格認定証明書が交付された。当職が詳細に作成した理由書が考慮された結果だと自負している。
更新不許可後当職が代行して許可に(ベトナム人コックの案件)
‘11.11月ベトナム人コックKさんが友人の紹介で来所。ベトナム料理の調理師として技能3年の在留資格を持っているが、在留期間更新許可申請をしたところ不許可となり、在留期限が迫っているので、どうしたらいいかわからないので相談に来たとのこと。  
不許可理由が不許可通知書だけでは判然としないので、入管に同行して不許可理由を聞くことにした。係官からは、ベトナム料理の業務量が不足しているという指摘があった。Kさんに事情を聴くと、Kさんが働いているOという店は、以前はベトナム料理の専門店だったが、現在はOのオーナーの意向でイタリア料理、フランス料理を取り入れ、ベトナム料理がメインではなくなっているとのことだった。  
お店の事情を聴くべく、O店に行きオーナーと面談。以下の事がわかった。すなわち先の震災の影響で、4人いたベトナム人コック3人が帰国し、現在はベトナム料理を作れるのがKさんだけになっている。やむなく他の料理を取り入れ、ベトナム料理の比重が下がっているとのことであった。そこで、その事情を説明しベトナム料理を提供できるのがKさんだけなので、是非ともKさんが必要である旨の「理由書」を作成することにした。さらに、ベトナム料理の注文実績を1週間分作り、添付することにした。またKさんが自分で申請したとき添付しなかった職員の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」も提出することにした。Kさんは間違えて源泉徴収票を提出していた。  
在留期限が迫っていたので、上記のものとベトナム料理のメニュー、ベトナム料理の写真を添付し、在留期間更新許可の再申請を行った。しばらくして、入管から全従業員の社員名簿、店内の写真、お店で提供しているメニューを追加資料として提出せよとの指示があり、提出期限までに追完した。  
正直、再申請で許可になるか確信が持てなかったが、追加資料提出から1週間後に入管から更新許可のハガキが送られてきた。KさんもO店のオーナーもたいそう喜んだ。  
残念ながら、在留期間は3年が1年になってしまった。在留期間更新許可申請は簡単なので独力でやって失敗するケースが多々ある。簡単というのは他の申請に比べればということであって、決して更新許可申請は容易なものではない。是非事前に専門家である取次行政書士に相談されたい。