在留資格入管取次行政書士奮闘記(事例紹介)


 

特定活動

特定活動(出国準備)からの変更
B国のAさんが「投資・経営」への在留資格変更を希望して来所。
Aさんの在留履歴は以下のようであった。
まず、日本人女性と結婚して、在留資格「日本人の配偶者等」で日本に初上陸。その後Aさんは離婚。Aさんは、離婚前から個人企業としてB国料理店を経営していたので、「日本人の配偶者等」→「投資・経営」への在留資格変更許可を申請し許可(1年)。1回目の在留期間更新許可申請も許可(1年)。
ところが、2回目の更新申請は不許可となった。
こういう場合、オーバーステイを回避するために、出国準備としての「特定活動」という在留資格が与えられる。Aさんの場合、パスポートに「特定活動(4ヶ月)」といシール(証印)が貼られ、その下に赤字で「出国準備」のスタンプが押されていた。1回延長してもらって「特定活動(2ヶ月)」の状態で来所。
出国準備として「特定活動」の在留資格が付与された場合、他の資格への変更は、原則として許可されない。日本人と結婚したなどの特別な事情がないかぎり、非常にむずかしい。
私が、東京入管に出向いて相談したところ、500万円の出資を明確にして、事業計画もしっかりしていれば、許可される場合もあるとの教示を受けた。
この旨をAさんに伝えたところ、可能性があるなら変更許可を申請したいとの意向。そこで、B国料理店を経営することを事業目的にして、株式会社を設立することになった。会社設立後、「特定活動」→「投資・経営」への在留資格変更許可申請をした。
在留期限が切迫していたので、必要最低限の書類を添付し、あとの書類は追完する形にした。こうしたとき、いきなり申請窓口に申請書を提出しても受理されず、Sルームで承認をもらってから提出する。
申請中は、形式的にはオーバーステイでも、合法な残留として扱われる。
申請後1ヶ月ぐらいして、東京入管の係官が店まで調査に来たとAさんから連絡があった。入国管理官が実地調査をすることは、あまりないが、「特定活動(出国準備)」からの変更であることが理由と思われた。虚偽申請ではないのだから、堂々と現状を見てもらうようにAさんにアドバイス。短時間で調査は終わった。
不安の中、調査から10日後に「投資・経営」への変更許可(1年)が下りた。
追完書類未提出の段階での許可。提出した書類がツボを押さえ、しっかりしたものであったことが許可理由と思われるが、Aさんもビックリの早期の許可。たいそう感謝された事案でした。
2度の「特定活動」を経て、就労ビザ取得
‘09年、2月、知人の紹介で中国人Nさん来所。
依頼内容は「留学→人文知識・国際業務」の在留資格変更許可申請。3月に大学を卒業予定でA社に就職内定をもらっているとのことだった。その招へい企業A社に関する資料、特にA社が、なぜNさんを必要とし、採用に至ったかの「理由書」がポイントだった。
3月初めに申請したが、A社との意思疎通が不十分だったため、入管に資格該当性を認められず、変更許可申請は不許可となった(4月初め)。
Aさんの在留期限は過ぎていたが、こういう場合、形式的にはオーバーステイであっても、申請人が望めば、遡って「特定活動(出国準備)」に変更してくれる。これにより不法残留とはならず、合法的に在留していることになる。
そこで、とりあえず出国準備としての「特定活動(2か月)」に在留資格変更。そこからさらに、継続就職活動のための「特定活動」への変更許可申請をし、許可された(「特定活動」継続就職活動6ヶ月)。
なお、今年度から、「留学」の資格者が、大学を卒業したものの就職先が見つからず就活を続けたい場合、「特定活動(継続就職活動)6ヶ月」への変更許可をもらえるが、なお就職先が決まらないとき、さらに6ヶ月、つごう1年間は「特定活動(継続就職活動)」の資格で合法的に在留できることになった。この手続きのためには、大学の推薦状、経済的な裏付けを証明する資料等が必要となるが、これらの添付資料があれば、通常許可される。
その後、NさんからB社に仮採用されたので手続きをお願いしたいと連絡が入った。
前回の失敗を教訓に、B社に出向いて、就職担当者に詳細な説明をし、十分な資料を添付して「特定活動→人文知識・国際業務」の変更許可申請をした(6月初旬)。今度は、資格該当性が認められ、申請から6日で変更許可となった(1年)。
常に丁寧な仕事を心がけてきたつもりであったが、採用企業との意思疎通をしっかりやることが大事だと痛感した事案であった。
「特定活動(継続就職活動)」から「技術」への変更
‘12年4月、同業者を介しての依頼。中国人Aさん、就職先が決まったので在留資格変更許可手続をお願いしたいとのこと。
Aさんは、日本で日本語学校、大学、大学院を卒業したが、卒業までに就職先が決まらなかったので、「留学」から「特定活動(継続就職活動)」に変更して現在に至ると。
昨今の就職状況から、学校卒業までに就職先が決まらず、「留学」の在留期限が迫って困っているということが散見される。
こうした場合、就職先を探すために、「特定活動」にいったん在留資格を変更しなければならない。現在、継続就職活動としての「特定活動」は卒業見込み書、大学からの推薦状、成績表などを添付して入管に申請すると、6か月の「特定活動(継続就職活動)」が許可される。この6カ月の間に、なお就職先が見つからない場合、さらに6か月の「特定活動」の更新ができ、最大1年間の就職活動をすることができる。
Aさんは、幸い早い時期に就職先が決まった。その会社は化学製品の注意ラベルの作成などを行っている中規模の企業で、Aさんは化学製品関連のソフトを作成する仕事につくということ。Aさんは大学、大学院で応用化学を専攻しており、在留資格「技術」に該当する。
在留資格「技術」への変更につき、入管のHPの必要書類には明記されていないが、採用理由書、変更理由書、履歴書などの添付は必須である。Aさんから依頼を受け、採用会社に私が出向いて説明し、必要書類の作成、収集を行って、入管に「特定活動」→「技術」への在留資格変更許可申請をなした。
申請から10日、無事変更許可が下りた。
卒業年度になっても就職先が決まらずに困っているということは、ままあるので、是非入管取次行政書士に相談されたい。