在留資格入管取次行政書士奮闘記(事例紹介)


 

短期滞在から配偶者ビザ

短期滞在から日本人の配偶者等、永住許可まで取得した事例
2003年8月、日本人男性Nさんが、K国女性Tさんと結婚したいと来所。
事情を尋ねると、NさんはTさんとずっと結婚を前提につきあっていたが、Nさんは日本人の前妻がいて、ようやく離婚手続が終了し、Tさんと結婚できるようになったので結婚手続、在留手続をお願いしたいとのこと。
まず、婚姻届を日本の役所、K国の役所に出すことが必要であり、その上で在留資格の取得に向けて東京入管に申請するという手順になると説明。婚姻届に必要な書類、方法を教授し再度の来所をお願いした。
婚姻手続を経て、Nさん来所。在留資格認定証明書交付申請(呼び寄せ)という方法もあったが、時間短縮のため、まず婚約者としてTさんに来日してもらい、短期滞在から日本人の配偶者等へ在留資格変更許可申請をすることにした。
通常、短期滞在から他の在留資格への変更は認められておらず、「やむを得ない特別の事情に基づくもの」である場合に例外的に許可されることになっている。NさんとTさんの付き合いが長く、婚姻実態にも問題がなかったので、在留資格変更許可が可能と判断。Tさんが「短期滞在」の資格で来日し、外国人登録を経て、2003年11月、東京入管に在留資格変更許可申請をした。
およそ3週間で日本人の配偶者への在留資格変更(1年)が許可された。
2004年9月に在留期間更新許可申請(許可まで1週間)、2005年9月に2度目の更新許可申請をし、3年の在留資格を得た(許可まで3週間)。
2006年10月に結婚から3年の継続在留となったので、Nさんの依頼に基づき永住許可申請を東京入管になした。半年後の2007年4月に永住許可が下りた。
特筆すべきは、短期滞在→日本人の配偶者→永住者という流れの中で、Nさん、Tさんは東京入管から調査の電話や出頭要請を1回も受けなかったこと。この出頭免除が取次行政書士を使う最大のメリット。必要書類の収集および作成(特に「理由書」)、入管への出頭を代行し、Nさん夫婦からたいそう感謝されました。
取次行政書士の存在が認知され、多くの外国人の方が利用されれば、入管手続が円滑に進むようになると思います。
短期滞在から日本人の配偶者等への在留資格変更許可がスピーディーになされた事例
同業の行政書士(取次資格はもっていない)からの紹介で、日本人妻がM国人男性と結婚した。どうすれば在留資格を取得できるか、自分でやってみたが、わからないことだらけで90日の在留期限(短期滞在)が迫っており専門家に頼みたいと夫婦で来所。
原則として、「短期滞在」から他の在留資格への変更は認められず、「やむをえない特別の事情に基づくもの」である場合に例外的に許可されるにすぎない。
通常、日本人との結婚は「特別の事情」と解されるが、婚姻期間が短いとなかなか厳しいものがある。
事情を二人から聞くと、日本で入籍したのは1ヶ月半ほど前だが、海外で出会ってから2年以上経ち、海外で長期間同居していたとのこと。事実上の夫婦としての生活実態があるわけで、十分に変更許可がなされると判断。
必要となる添付書類を準備して東京入管に変更許可申請。特に「理由書」をその時々の写真(12枚)をつけ、厚めに作成した。
なんと申請後3日で許可が出た。今まで、こんなに早く許可がおりた経験がなく、驚いた。在留期限までまだ間があり、余裕の許可。
入管が神経を尖らせているのは、偽装結婚が数多くあること。逆に言えば、真実の結婚であれば、人道上許可を出さざるを得ないと考えられる。
今回は、スナップ写真等、資料が豊富だったので、真実の結婚と判断されたのであろう。いずれにせよ、夫婦は入管に出頭することも、電話の事情聴取もなく、全て当職が手続を代行した。依頼人からはたいそう感謝された事案でした。
「短期滞在」から「日本人の配偶者等」への変更が認められた事例
今回は、ちょっと変わった事案。T国女性Aさんと結婚する予定の日本人夫Bさんが来所。
事情を聞くと、AさんとBさんは過去に結婚しており、離婚したが、互いに相手のことを気にかけ、Aさんが短期滞在で来日した際は、Bさんの家に同居する関係になり、その同じ相手のAさんと再婚したいとのこと。Aさんは、年齢的に日本での就労が目的ではないと考えられるので、入国管理局も真実の結婚と判断してくれるものと思われ、受諾した。
当初、在留資格認定証明書交付申請(呼び寄せ)でいくことを提案したが、T国からは、短期滞在で入国しやすいので、Aさんが入国後、変更申請でいけないか?との申し入れがあったので、その方法でいくことにした。
本来、結婚相手を呼び寄せる場合①在留資格認定証明書交付申請②婚約者として短期滞在で入国→在留資格変更許可申請の2つの方法があるが、②は、入管においては、あくまで例外的な取扱で、①によるのが原則であり、そう指示される。
ただ、本件のように、過去に同じ相手と婚姻しており、付き合いの時間が長い場合は②でも十分許可される。実際、申請後4日で在留資格変更許可がなされた。
なお、フィリピン人女性の場合、短期滞在ビザはなかなか取得できないので、①の在留資格認定証明書交付申請によるほうが、はやく在留資格を得ることができる。
親子で在留資格変更を認められた事例
日本人Aさんが、HPを見て、直接事務所に来所。
ロシア人女性Bさんと結婚する予定なので、その連れ子Cさんも一緒に呼び寄せたいとの相談。
まずはBさんと婚姻することが大前提なので、婚姻手続きを教示し、その後の手続きとして①在留資格認定証明書交付申請(呼び寄せ)という方法と②短期滞在で来日し、婚姻手続きを済ませ、在留資格変更許可を申請すると2つの方法があると説明。すぐにも呼びたいので②の方法でやってほしいとのことを了解した。
その後、ビザがなかなか下りないとAさんから連絡があった。短期滞在の在留資格は、いわゆる観光ビザのことで、通常在外日本国大使館(or領事館)で発給される。ロシアのケースは、「招へい理由書」「身元保証書」「滞在予定表」(通常3点セットと呼ばれる)その他の書類をロシアの人に送り、その人が必要書類を用意して、在外日本公館にビザ申請をするとスムーズにビザ発給がなされる。今回の場合「親族・知人訪問」に該当する(「短期商用」というビザもある)。
無事Bさん、Cさんは入国でき、婚姻届も済ませた。
ここからBさんについては「短期滞在→日本人の配偶者等」、Cさんについては「短期滞在→定住者」(いわゆる連れ子定住)の在留資格変更許可申請を東京入管になした。
申請から変更許可までは1ヶ月半かかった(正月休みを挟んだので)。通常上記①の方法では1~2ヶ月、②の方法だと1ヶ月弱かかる(1週間でOKのこともある)。②の方法は、あくまで例外的なものだが、すぐに呼び寄せることができるという利点がある。
なお、呼び寄せる人がフィリピン人の場合、②の方法ではなかなかビザが発給されないので、①の方法がベストである。
特殊なケースで困難か?と思われたが変更許可された事例
2010年10月、日本人女性Aさんと、婚約者である外国人男性Bさん来所。
Bさんは、いわゆる観光ビザで来日(短期滞在90日)。現在Aさんの自宅で実質的に結婚生活を開始しているとのこと。本国に戻らずに結婚ビザ(日本人の配偶者等)を取得できる方法はないかと相談された。
「短期滞在」→「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可は可能ではある。が、「短期滞在」からの変更は『やむを得ない特別の事情』がない限り許可されない。日本人との結婚はこれに該当するが、入管から在留資格認定証明書(いわゆる呼び寄せ)を得てから申請するよう指示される場合がある(最近頻出)。この方法だといったん帰国するしかない。
いずれにせよ法的に婚姻していることが大前提なので、まず婚姻届をするように指示。その前に外国人登録をして外国人登録証明書を取得しなければならない。短期滞在で在留期間が30日だと外国人登録はしてもらえないが、Bさんは90日であったので問題ないと教示した。外国人登録を経てK市役所に婚姻の届出をした。ところがBさんは亡命チベット人であったため、外国人登録証明書の国籍欄は「無国籍」となっており、法務局での面接が必要と窓口で言われ、その面接を経てようやく婚姻届が受理された。
ここから在留資格変更許可申請をしたが、二つ不安な点があった。一つはBさんが観光ビザで入国していること。本来は日本人の婚約者として、親族・知人訪問で入国すべきだった。あと一つ、BさんはAさんの扶養を受けるわけだが、Aさんの収入がアルバイトなので、少ないということがあった。
「日本人の配偶者」の審査にあたっては婚姻生活の安定性・継続性が吟味される。これは婚姻実体がある真実の結婚であることと扶養者の経済力が求められる。
これらは、Bさんが前回の来日の際、Aさんとすでに交際していた点、今回の滞在中にBさんをAさんの実家に連れて行き、Aさんの両親に紹介し、結婚を承諾してもらったことを理由書に書き、当面の生活はAさんの両親に援助してもらうことを付言した。交際を証する写真を多めに提出。
申請後、Bさんが亡命チベット人であるという特殊な立場もあり、果たして変更許可されるか、AさんもBさんも不安に思い、当職も許可の確信はなかった。
ところが申請から6日後に許可の通知が来た。理由書が充実していたこと、プラスの資料が効果的であったことと自負している。